4.仙人「無銭飲食の術」~昔我が家に仙人4.仙人、今度は「無銭飲食の術」~少女時代の思い出「仙人」シリーズ※これだけは掲載するのを迷ったけど…UPしちゃいます! 無賃乗車と同じ方法で堂々と… (1983年名タイ寄稿) ある時、私たちは東京で食事をすることになった。 父と私と、ほかにも何人かが同席したと記憶している。 しかし、その顔ぶれがだれであったか、確かな記憶はない。 そんな記憶など、吹っ飛んでしまうほど、 私の頭の中はぶっ飛んでいたからだ。 「今日は、もう一つすごく面白い術を見せてあげよう」 突然そう言いだした。 「0(ゼロ)ちゃん、今日の術はなあに?」 0(ゼロ)ちゃんというのは、仙人のニックネームである。 私にだって、こういう愛くるしい言葉遣いが 似合う時代があったということを、 声を大にして言いたい。それはともかく…。 「無銭飲食の術」と仙人は平然と言う。 無銭飲食は現実に犯罪なので、こういうことは本来、 書いてはいけないかもしれないが、 不謹慎だと叱られるのを覚悟して書かせていただく。 仙人は私たちとは離れた席で1人座った。 普通と同じだ。 料理と飲み物を注文して、 出てきた料理を美味しくいただく。 私たちは仙人とは別のグループとして、 仙人のことなど無視して食事を楽しんだ。 さて、帰り際だ。 無銭飲食とは、飲み食いして、 その代金を払わないことをいう。 仙人は脱兎(だっと)のごとく逃げ出したのか。 いや、違う。 それなら、単なる食い逃げである。 勘の鋭い方ならお分かりのことと思うが、 既に書いた、あの電車での 無賃乗車の術と全く同じである。 お金を支払うことなく、 仙人は堂々と店を出ていく。 たったそれだけである。 店の者はだれもそれをとがめない…。 何も言わない。 続く (2018年名タイ寄稿) よろしければ応援の↓クリック↓を~(^^) 大好きな平野遼の珠玉の逸品、水彩『歩く人』 平成15年(2003年)に運命ともいうべき出逢いがあり、手に入れました。 我が家の玄関にいてくれる~❤ ジャンル別一覧
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